声楽を学びたい方・学んでいる方へ
≪ わたしたちは歌手活動と並行して、声楽レッスンを展開しています ≫
田辺とおる: バリトン/元 国立音楽大学講師・元名古屋音楽大学大学院客員教授・元名古屋芸術大学客員教授・東京国際声楽コンクール審査員兼事務局長 / 所属学会: 東京二期会・日本アルバンベルク協会・日本オーストリア文学会・日本音楽芸術マネジメント学会 / 取得学位: 芸術学士(武蔵野音楽大学声楽科)、学術修士(東京外国語大学大学院ドイツ文学専攻)
小畑朱実: メゾソプラノ/ 武蔵野音楽大学・大学院教授・東京国際声楽コンクール審査副委員長・東京二期会会員/ 取得学位: 芸術学士・芸術修士(東京藝術大学・大学院声楽専攻)
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声楽技術を学ぶという事は、「世界に一つしかない、目に見えぬ楽器」を、「教師という第三者のアドバイス」によって、「効果的に操作する」方法を研究する事です。そしてその目的は、「西洋音楽史上の名曲を歌う」というパフォーマンス芸術の実践です。やさしい事ではありませんが、私たちは次のような理念のもとにレッスンしています。
◆ 「技術は科学である」事を念頭に、イメージや気持ちだけではなく、なるべく具体的・解析的に指摘する事。しかしながら発声専門のトレーナーなどに時折見られるように肉体解剖学に傾くことなく、「作品の芸術性が求める音色」と「技術論」の双方から考える事。
◆ 「世界に一つしかない楽器」という個別の視点と、「300余年のオペラ・歌曲史が築いた美学・様式・技術」という普遍的な視点。相反するこの二者を常に持つ事。たとえば声楽教育の重点課題の一つである「高音の出し方」なども、歴史的な様式感に基づいた「正しい音色」が、科学的な技術トレーニングによって出るようにしていく事。それは、とても大雑把に言えば
ベルカント唱法の研究
です。しかし声楽美学の代表的典型ともいえるこの概念とて、「ヴェルディからその破壊は始まった」とする論もある程、(18-20世紀までの作品を主に扱う)現代の声楽家にとっては一筋縄ではいきません。イタリア語という共通点があっても、ヘンデル・モーツァルト・ドニゼッティ・ロッシーニ・ヴェルディ・プッチーニ・レオンカヴァッロの作品を、一括りに「ベルカントで歌う」と表現してしまっては乱暴に過ぎるでしょう。とはいえ技術の「肝」には歴然たる共通項が存在することも事実です。そのさじ加減、普遍的でピュアなものと、時代や作品の趣味と、歌手の表現欲という恣意の弁証法的融合こそ、声楽家のめざす技術と芸術の理想論であると、我々は確信します。
◆ 外国語で歌う以上「正しい発音」というテーマは不可避だが、正しいだけでなく常に「内容表現」が伴う事。そしてそれが、「演奏者の思い込み」という主観と、「俳優と同様にテキストを読み込んだ上の芸術性」という客観の両者に立脚している事(日本の声楽教育では個々のシラブルの発音の正誤のみが強調されすぎるというアンバランスを感じます)。
◆ みずからも(受講生より経験豊富な)演奏者であることに基づいた指導を心がける事。「レッスンではいい声が出るのに・・」という話をよく聞くが、「本番でうまく歌える」ことを最も重視し、本番のシュミレーションを随時レッスンに取り入れたり、メンタルサポートなどにも配慮する事。
◆ 最後に少しだけ攻撃的広告をお赦し願って・・・。 我々はとても技術に拘る教員だと自認しますが、「技術の独り歩き」には警戒感を持ちます。技術習得こそすべて・・、という印象の強い声楽教育や教室広告などを見るにつけ、「なんのための技術か」という思いが深まります。技術自体が芸術だ、とか、技術が整えば芸術性は付随する、とか。この種の立場には賛同できません。
「余所者として西洋の芸術に携わっている」
これが我々の出発点です。器楽には歌詞がないからそこまで突き詰めなくてもいいのかもしれませんが、歌は、だめだとおもいます。文化、とりわけ語学、文学とあまりにも密接に結ばれている。歌詞内容と背景にこだわって勉強すればするほど、年々自分が余所者であることをよけいに痛感します。しかし、母語の民族には見えにくい視点が我々には見通せる(可能性がある)というメリットもまた、つよく感じます。そういった文化論的発想のもとに、「芸術に奉仕する技術」を正しく磨き、同時に芸術についての情報を正しく理解した上で、自らの、そして受講生たちの、声楽に関わる芸術観の充実を期していきたいと願うのです。
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■ 扱うレパートリー: イタリア語の歌曲とオペラアリア・重唱およびドイツ歌曲は、田辺・小畑ともに広範に扱います。そのほか、田辺とおるはドイツオペラ・オペレッタ等、小畑朱実は日本歌曲とフランス歌曲・オペラを専門研究分野としています(履歴参照)。
■ レッスン形態: 受講生の希望に従って田辺または小畑のどちらかが担当する個人レッスンですが、随時二人で指導することもあります。基本的に1回90分でレッスン料1万円。きちんと理解してもらう為の説明と、体になじませる為の反復練習を丁寧にやると60分では足りないので。
■ 会場: 東京都板橋区。最寄駅は東京メトロ小竹向原駅。
■ 発表会: 田辺と小畑が講座をもつ音楽大学の演奏試験に合わせて、通常7月と1月に合同発表会(試演会)をホールで開催します。
■ レッスン対象: 中学生以上、年齢上限なし。学生・受験生・活動中の歌手・教育活動中の声楽教師・アマチュアの愛好家など、お立場の別は問いません。また、継続的な入門希望だけでなく、単発のカウンセリング的レッスンも受け付けます。レッスン開始時点のレベルも問いませんが、熱意と真摯な取り組みは求めます。受講生は「一緒に芸術を探求する同志」と思っているので「(アマだから、高校生だから)簡単に・・・」というような発想は持ちません。
■ 進路や活動の相談: 田辺と小畑は、優秀な現役歌手や声楽教師の豊富なネットワークを、国内全域とヨーロッパ各国に持っていますので、受講生のニーズに合わせて相談に応じます。勤務する音楽大学以外の進学相談や、コンクールやオーディション受験などの活動の相談も受け付けます。
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